尋問の証言集
法廷パートにおける尋問の証言集です。
第1話
法廷【その1】
〜目撃したこと〜
証言者:渦久丸 泰三、園日暮 三文
渦久丸
「我、かの洋食堂にてビフテキを食らい、
ご老人との語らいを楽しんでおった。」
園日暮
「拙者、黄金のキラメキをまとう珍宝の
美について、トクトク語りし也」
渦久丸
「そのとき。銃声、一閃ッ! 我が眼は
はッしと捕らえたり・・・・その一瞬をッ!」
渦久丸
「漆黒の学童が、英国紳士に発砲せり!
卑劣にも・・・・その背後から、突然にッ!」
園日暮
「そのとき。拙者は、消えた我が珍宝の
行方を案じて、床に這いつくばって也。」
〜真犯人の《根拠》〜
証言者:渦久丸 泰三、園日暮 三文
渦久丸
「たとえ、発砲の“瞬間”ではなかったと
しても・・・・同じようなものであるッ!」
園日暮
「黒き小僧が、白き紳士に拳銃を向けて
いた・・・・それは、拙者も覚えている也。」
渦久丸
「そして、あのとき。洋食堂には、
我らの他に、たったヒトリの客もなし!」
園日暮
「・・・・左様。白き紳士は、あの食卓で、
ひとり静かに食事を楽しんでおった。」
渦久丸
「ゆえに! その悪童の他に、かの紳士を
撃てる者はナシ。・・・・報告、終わりッ!」
法廷【その2】
〜恐ろしくも悲しい光景〜
証言者:ジェゼール・ブレット
「あの日。ワトソン教授と、すこし
遅いランチをいただきましたの」
「教授は、食事ができなかったので・・・・
ビフテキをひとつ、注文しました」
- (変更後)
「ビフテキは自分がいただき、教授とは
炭酸水のグラスで乾杯いたしました」
「やがて・・・・被告人が挨拶に来て、
教授と激しく言い争いをしました」
「その後。被告人は、教授の拳銃を
手にして、目の前で発砲したのです」
「私自身は、拳銃を持ってなかった
ので、犯行は絶対に不可能でした」
〜被害者の“死”〜
証言者:ジェゼール・ブレット
「あの方が、いつヤケドを負ったのか・・・・
ザンネンですが、ワタクシは存じません。」
「ビフテキをいただいたとき。ワタクシ、
教授とカンパイをいたしましたのよ?」
「遺体検分の結果も、銃弾で撃たれた以外、
死因は考えられないと聞いておりますわ。」
「なんの《痕跡》も残さずに、命を奪う
“手段”があれば・・・・見せてくださいな。」
「まあ・・・・貴国の未熟な捜査では、新しい
《証拠》の提示など、ムリでしょうけど。」
第3話
法廷【その1】
〜目撃したこと〜
証言者:ベッポ、オスカー・フェアプレイ、アダム・レディファスト
ベッポ
「あれは・・・・あの晩の最終便で、お客も
少なくて・・・・よく覚えていますです。」
フェアプレイ
「馬車の中の座席には、あの被告人と
被害者の2人が、並んで座っておった。」
フェアプレイ
「すると・・・・被告人が、いきなり
ドテっ腹をナイフで刺したのですよ!」
レディファスト
「たしかに・・・・ナイフが刺さってました!
ボク。思わず、悲鳴をあげちゃって・・・・」
ベッポ
「その悲鳴に驚いて、馬車を止めて・・・・
わ。ワシも、その。見ちまったです!」
法廷【その2】
〜いくつかの“ギモン”〜
証言者:ベッポ、オスカー・フェアプレイ、アダム・レディファスト
ベッポ
「あの晩。客は4人だけだった。
それは本当です! ただ。その・・・・」
フェアプレイ
「お客の私は、あのとき。馬車の
料金は5ペンスだと言われたがねえ。」
レディファスト
「料金をダマされた上、あんなオソロシイ
モノを見せれられて・・・・ヒドすぎます!」
フェアプレイ
「メグンダル氏が、被害者を刺した・・・・
私が見たコトに、変わりはありません!」
ベッポ
「ええと。ワシは・・・・その。
刺したと・・・・思いますです、ハイ。」
証言追加:フェアプレイ
「ナイフで刺したあとの、血にまみれた
あの両手・・・・忘れるものかッ!」
〜本当に見たこと〜
証言者:ベッポ、オスカー・フェアプレイ、アダム・レディファスト
フェアプレイ
「ハンニンの“両手”に血がついていた!
本当に、ハッキリ覚えているのです!」
フェアプレイ
「ただ。被告人が刺した“瞬間”は・・・・
あるいは『見ていない』とも言えますが。」
レディファスト
「被害者に刺さったナイフと、ハンニンの
両手の血・・・・ボクも、覚えています。」
ベッポ
「ワシは・・・・《屋根裏》から悲鳴が
聞こえるまで、なんにも見てないです。」
フェアプレイ
「いずれにせよ。馬車に、他の客がいたの
なら、私たちに見えたと思いますがね!」
法廷【その3】
〜事件と少女の関係〜
証言者:コゼニ―・メグンダル
「ワタシは、あの晩。奥の座席に
座って、眠りこんでいました。」
「すると。突然、大きな音と小さな
悲鳴が聞こえて、目が覚めたのです。」
「目の前の床に、男が倒れていたので・・・・
助け起こして、座席に座らせました。」
「そして。悲鳴が聞こえた場所を
おそるおそる、調べてみると・・・・」
「なんと。そこには、この少女が
小さくなって隠れていたのですよ!」
〜少女が見た《事件》〜
証言者:ジーナ・レストレード
「あの晩は、いつもどおり。ウマをつなぐ
前から、馬車の中に忍び込んでいた。」
「でも。ゼンゼン、シゴトにならなくて。
本当に、ヒドイ夜だったな。」
「あの“隠れ場所”の中って、まっ暗で。
本当に、なーんにも見えないんだ。」
証言追加
「だから、ずっと耳をすませてた。
聞こえたのは、イビキだけだったけど。」
「そのうち・・・・突然、大きな音がしたの。
そりゃもう、悲鳴を上げちゃうでしょ。」
「それで、このオジサンに見つかったの。
でも・・・・逃がしてくれたんだけど。」
〜《告発》への反論〜
証言者:オスカー・フェアプレイ、アダム・レディファスト
フェアプレイ
「《屋根席》には、ワレワレ2人しか
いなかった・・・・本当なのです!」
レディファスト
「あんなトコロで事件があったら、
お互い、気づくハズじゃないですか!」
フェアプレイ
「そもそも。被害者のことなど、知らん!
・・・・そんなコト、するハズがないッ!」
レディファスト
「《天窓》は、いつも閉まってます!
ボクたちには、開けられませんッ!」
フェアプレイ
「被害者が《天窓》から落とされたのなら。
・・・・《証拠》を見せていただきたいッ!」
第4話
法廷【その1】
〜漱石を逮捕した理由〜
証言者:トバイアス・グレグソン
「事件が起こったのは、夕方の5時。
珍しく、霧の薄い日でした。」
「現場は見通しがよく、被害者と犯人の
ふたり以外、人影はありませんでした。」
「被害者は、背後から突然ナイフで
刺されて、歩道に倒れたのです。」
「犯人は逃走しましたが、その際に、
持っていた荷物を現場にバラまいた。」
「“荷物”というのは、古書で・・・・
古書店からの帰りだったようです。」
- (変更後)
「古書店《ブルボン屋》は、被告人の
行きつけの店だったようですね。」
「その古書の持ち主をたどり、被告人に
たどりつき・・・・そこで、逮捕したのです。」
〜目撃したこと〜
証言者:パトリック・オマーリ、ローラ・オマーリ
ローラ
「あの夜は、結婚記念日で・・・・警官の
制服のまま、食事に行くところでしたの。」
ローラ
「そのとき。通りの向こうから、2つの
人影が歩いてくるのが見えましたの。」
ローラ
「いきなり、ヒトリが倒れて、ヒトリが
何かをまき散らして、逃げましたの!」
ローラ
「あたしたち、すぐに駆けつけて・・・・
近くの交番へ、事件を知らせましたの。」
ローラ
「逃げていったのは、ヒコクの日本人よ。
パットも、あたしも。ハッキリ見たの!」
- 証言追加:ローラ
「それに。ハンニンが落とした4冊の
古本の『題名』も、バッチリ覚えてるし。」
法廷【その2】
〜パット巡査の報告〜
証言者:パトリック・オマーリ、ローラ・オマーリ
パット
「ガリデブ夫妻は、無関係ですッ!
倫敦警察の巡査として、断言します!」
パット
「なぜならば! あの部屋の窓は
“跳ね上げ式”だから・・・・であります!」
ローラ
「そもそも。妙なモノが空を飛んでいたら、
見落とすハズがありませんの!」
ローラ
「あたしは現場を離れたけど。パットは
シッカリ、現場を守っていましたのよ?」
- 証言追加:ローラ
「あたし。目には自信がありますのよ!
・・・・ちょっと“方向オンチ”だけど。」 - (変更後)
「あのとき・・・・落とした花束のせいで、
あたし。道に迷ってしまったケド。」
パット
「現場からは、片時も目を離していません!
なにひとつ、異常はありませんでした!」
〜ガリデブ夫婦戦記〜
証言者:ジョーン・ガリデブ、ジョン・ガリデブ
ガリデブ
「あの日・・・・原因は忘れましたが、
ツマとケンカになってしまいまして。」
ガリデブ
「燭台が倒れて、絨毯に火が移って・・・・
あわてて火を消して、窓を開けました。」
ジョーン
「一方。ワタシめは、このヒトめがけて
手当たりしだい、投げつづけました。」
ガリデブ
「部屋にはナイフが多くて、1本ぐらい
なくなっても、わからんのですよ。」
ガリデブ
「凶器のナイフが、ウチのものならば・・・・
《証拠》で、立証していただきたいッ!」
第5話
法廷【その1】
〜事件当夜の不法侵入〜
証言者:ネミー・ティンピラー、タリー・ティンピラー
ネミー
「あの晩・・・・ベーカー街を歩いていたら。
質屋の入口のトビラが開いていたんだぜ。」
タリー
「オレたちは・・・・まるで、なにかに
導かれるように、店に入ってみたんだぜ。」
ネミー
「すると! 店の奥のトビラから・・・・
銃声が1発、響いたんだぜ!!」
タリー
「思わず、そのトビラを開けようとしたが
・・・・中から、カギがかかっていたんだぜ。」
ネミー
「ナニもしてないし、盗んでもいないぜ!
ただ静かに、その質屋を後にしたのさ。」
法廷【その2】
〜事件当夜の不法侵入2〜
証言者:ネミー・ティンピラー、タリー・ティンピラー
ネミー
「たしかに、机の上はイジったケド・・・・
“物色した”なんてモンじゃねえぜ!」
タリー
「突然、銃声がして・・・・思いっきり、
机の上のものをブチまけちまったんだぜ。」
- (変更後)
「銃声の直前に、叫び声が聞こえたんだ。
『その銃をよこせ!』・・・・ってな!」
- 証言追加: ネミー
「あの店主。拳銃を手にしていたんだから、
叫ぶ前に、さっさと撃てばよかったぜ。」
ネミー
「や。コワかったぜ・・・・奥のトビラから
ハンニンが出てくるかもしれねえし・・・・」
タリー
「なんとか机をかたづけて、店を出るとき
・・・・アンタたちと、ハチ合わせたんだぜ。」
ネミー
「つまり! オレたちには、あの店主を
撃つ“機会”なんて、なかったんだぜ!」
〜被害者との遭遇〜
証言者:ネミー・ティンピラー、タリー・ティンピラー
タリー
「質屋に忍び込んで、『さて』と思ったら
・・・・いきなり、アイツが現れたんだぜ!」
ネミー
「『その銃をよこせ!』って叫びながら
飛びかかってきて。死ぬかと思ったぜ。」
タリー
「オヤジのクセに、強いのなんの。
オレなんか、机の上に押し倒されて・・・・」
ネミー
「なんとか拳銃を向けると・・・・あのオヤジ、
トビラの向こうに逃げていったんだぜ!」
タリー
「それだけですから! オレたち・・・・
本当に、カンケーないんです! だぜ!」
法廷【その3】
〜《告発》について〜
証言者:ルバート・クログレイ
「たしかに・・・・この私も、質屋ぐらい
行くことはありますがね。」
「殺人事件のあった夜に、こんな小悪党に
まじって、質屋に不法侵入ですって?」
「・・・・当然。そんな《告発》など、
認める気はありませんよ。」
「現場に、私の血のアトが残っていた。
・・・・そんなコトを言われましてもね。」
「アヤシイ探偵の、アヤシイ《クスリ》
・・・・そんなもの、《証拠》にならない。」
- 証言追加
「とにかく。私は、被害者の質屋とは、
マッタク・・・・なんの関係もないのです!」
〜“円盤”のこと〜
証言者:ルバート・クログレイ
「“円盤”には『メグンダルへ』と
書かれていますが、私のものなのです。」
「あの日。被告人に《預かり証》を
スリ盗られてしまいましてね。」
「それで・・・・あわてて、あの店に行って。
取り戻そうとしたのですが・・・・」
「ケッキョク。“円盤”は、警察に
取りあげられてしまいました。」
「つまり・・・・私があの店に“忍びこむ”
理由は、ひとつもないワケです。」
〜2ヶ月前の《真実》〜
証言者:ジーナ・レストレード
「あのとき。《乗合馬車》の中には・・・・
ホントは、被害者のヒトも乗ってたんだ。」
「馬車の中に引きずりだされたとき。
あの“円盤”が落ちてるのが見えたの。」
「そして、天窓から悲鳴が聞こえて・・・・
2人の客が、警察を呼びに行ったんだ。」
「そのとき・・・・アイツは、御者におカネを
渡して、近くの質屋に行かせたわ。」
「・・・・アタシ。アイツに脅されたの。
見たコト、聞いたコト・・・・話すな、って。」
法廷【その4】
〜弁護士に対する反論〜
証言者:ルバート・クログレイ、ネミー・ティンピラー、タリー・ティンピラー
クログレイ
「ただの《電気通信士》が、政府の情報を
盗むなど・・・・できるわけがないッ!」
クログレイ
「そもそも。その《自鳴琴》に記録されて
いるのは『モールス信号』ではないッ!」
クログレイ
「あの者と取り引きしたのは、煉瓦職人だ。
この私と、なんの関係もありはしない!」
ネミー
「2日前。オレたち、コイツの計画で
あの質屋に忍びこんだだけ、ですぜ!」
タリー
「“祖国を売る”なんて・・・・知っていたら、
ついていきませんでしたぜ!」
- 証言追加:ネミー
「《ミルバートン&ティンピラー乳業》。
・・・・あのころがナツカシイんだぜ。」
〜目撃した犯行の《瞬間》〜
証言者:ルバート・クログレイ
「彼らと店主氏がモミあっているとき、
私は、店の入口のところにいました。」
「店主氏がネミーを突きとばしたとき。
・・・・腕にスルドイ痛みが走ったのです!」
「店主氏の後を追って、トビラの小さな
“のぞき窓”から部屋の中を見た瞬間。」
「黒い外套を着た被告人が、背を向けて
逃げようとする店主氏を撃ったのです!」
「店主氏の背中から飛んだ血が、被告人の
外套にかかるのが、ハッキリ見えました。」
「被告人は、“のぞき窓”から拳銃を
投げ捨てたので・・・・拾って逃げました。」
〜目撃した犯行の《瞬間》・再〜
証言者:ルバート・クログレイ
「彼らと店主氏がモミあっているとき、
私は、店の入口のところにいました。」
「店主氏がネミーを突きとばしたとき。
・・・・腕にスルドイ痛みが走ったのです!」
「店主氏の後を追って、トビラの小さな
“のぞき窓”から部屋の中を見た瞬間。」
「黒い外套を着た被告人が、背を向けて
逃げようとする店主氏を撃ったのです!」
「店主氏の背中から飛んだ血が、被告人の
外套にかかるのが、ハッキリ見えました。」
「被告人は、“のぞき窓”から拳銃を
投げ捨てたので・・・・拾って逃げました。」
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